インタビューを撮り終え、編集で聞き直してみると、話している内容はよいのに声が遠い、空調の音が気になる、質問者の声だけ急に大きい。撮り直しが難しい段階で気づくと、編集だけで直せるのか不安になります。

聞き取りやすさは、編集ソフトの設定だけで決まりません。収録前の場所、マイクとの距離、収録中の確認、編集へ渡す情報を順にそろえると、どこを直し、どこを撮り直すべきか判断しやすくなります。この記事では、社内広報・採用・営業のインタビュー動画で使える5つの確認項目と、制作会社へ渡すメモを紹介します。

結論:まず「声の近さ」と「止められる音」を分けて確認する

聞き取りにくさには、話す人の声が十分に拾えていない問題と、空調・換気・通知音・反響など周囲の音が混ざる問題があります。後者の一部は編集で弱められても、声より大きく混ざった音や、言葉と重なった音を完全に消せるとは限りません。

そのため、現場では「声を近く、一定に録れているか」と「今止められる音があるか」を先に分けて確認します。機材の名称や高価な機材の有無より、この順番のほうが準備と判断を共有しやすくなります。

編集前に確認する5つのこと

1. 話す人とマイクの距離が途中で変わっていないか

椅子にもたれたり、身振りで体が動いたりすると、同じ話者でも声量が変わって聞こえます。収録前に座る位置を決め、マイクは口元を妨げず、話す人の近くで安定する位置に固定します。衣服に付けるマイクなら、襟・髪・アクセサリーが擦れないかも短い試し録りで確認します。

複数人を同時に撮る場合は、一人の大きな声に合わせて他の人の声が小さくなっていないかを、全員が一文ずつ話すテストで確認します。

2. 空調・換気・機器の音を止められる時間があるか

撮影場所を決めたら、全員が話さない状態で10秒ほど録音します。空調、換気扇、プロジェクター、冷蔵庫、窓の外の工事音などを耳で確認し、止められるものは収録中だけ止めるか、別室へ移します。安全や室温の都合で止められない設備は、無理に止めず、録音に残る前提を編集担当へ伝えます。

3. 反響が強い部屋ではないか

硬い壁・窓・床が多い会議室では、声が遅れて返るように聞こえることがあります。空いている会議室の広さだけで選ばず、拍手や短い会話を録って聞き返してください。反響が強ければ、カーテンのある部屋、布製の椅子がある場所、壁から少し離れた位置へ変えるだけでも、比較しやすくなります。

吸音材を置く場合も、話す人の表情や安全な導線を妨げないことを優先します。見た目の演出だけのために、実在のオフィスのように見せる必要はありません。

4. 試し録りをイヤホンで聞き返したか

カメラやレコーダーの小さな画面だけでは、ノイズや衣擦れに気づきにくいことがあります。本番前に、質問と回答を各30秒程度録り、イヤホンで聞き返します。このときは音量メーターだけでなく、「語尾まで聞き取れるか」「急に割れていないか」「質問者と回答者の差が大きすぎないか」を確認します。

5. 編集へ渡すときに、気になる箇所を時刻つきで伝えられるか

撮影後に気づいたノイズを「このあたりです」とだけ渡すと、編集側が探す時間が増えます。気になる場面、内容、希望する対応を短く残すと、判断が速くなります。削除か、音を弱めるか、字幕で補うかは、音の状態と動画の用途を見て決めます。

そのまま使える収録・編集メモ

以下は記入例です。実際の対応範囲・撮り直し可否・修正可否は、依頼先と個別に確認してください。

  • 動画の用途:採用ページで、入社後の仕事を紹介するインタビュー
  • 収録場所:会議室A。空調は収録中のみ弱められる。窓側で外の工事音が入る可能性あり
  • 話者:回答者1名、質問者1名。各自のマイクを使う予定
  • 試し録り:開始前に各30秒。衣擦れ、空調、声の大きさをイヤホンで確認
  • 気になる箇所:00:12:40〜00:12:52、外の音が重なる。意味が変わらない範囲で切れるか確認したい
  • 編集で優先したいこと:回答者の声を聞き取りやすくし、判断が難しい箇所は字幕案を提示してほしい

編集だけに任せないほうがよい場面

言葉の途中に大きな通知音や工事音が重なった、録音が途切れた、重要な回答だけ極端に小さいといった場合は、編集で自然に補うことが難しいことがあります。撮り直しができるなら、同じ質問を短く聞き直すほうが、無理に修復するより正確な場合があります。

一方で、聞き取りにくい箇所をすべて削る必要もありません。採用動画なら、伝えたい仕事の具体性を失わないか、営業動画なら条件や固有名詞を誤解なく伝えられるかを基準に、残す・補足する・録り直すを選びます。

関連する準備と相談の進め方

インタビューで何を聞くかを先に整理したい場合は、採用動画で仕事を伝える12の質問も参考になります。社内で撮った映像を編集へ渡す準備は、動画制作を外注する前に準備するもので確認できます。音声だけでなく、字幕と音なし視聴への備えを考えるなら、YouTubeのチャプターの付け方も、情報を見つけやすくする参考になります。

撮影場所や収録素材の状態を見ながら、どこまで撮影で整え、どこを編集で補うかを整理したい場合は、Musubimeの動画制作サービスとお問い合わせから、用途と気になる音の場面を添えてご相談ください。対応範囲や進め方は、素材と目的を確認したうえで個別にご案内します。